小学校の入学準備の完全ガイド|必要なものリストから費用まで全部わかる!

「小学校の入学準備って、いつから何を始めればいいの?」「結局いくらかかるの?」と不安になっていませんか?

一般的な学用品で1年前から動く必要があるのはほぼランドセルだけで、残りは2月の入学説明会が終わってから動くのが正解です。

この順番を知らずに先に買ってしまい、「学校指定品だった」「サイズが違った」と買い直しになるご家庭は本当に多いです。

このページは、元百貨店のランドセル販売員「えりママ」と、10年以上の塾講師経験がある「ケンタ」が、小学校の入学準備を下記の流れですべてまとめたものです。

あわせて、小学生の子どもを持つ保護者147名に実施した独自アンケートの結果も交えながら解説します。

  1. 小学校の入学準備はいつから?年長1年間の完全スケジュール
  2. 【完全版】小学校の入学準備品チェックリスト
  3. 説明会の前に買うと損するもの・先に買っていいもの
  4. 入学準備にかかる費用は総額いくら?内訳と抑える5つの方法
  5. ランドセル選びで後悔しないための5つのポイント
  6. 入学前の「学習」の準備はどこまで必要?
  7. 学力より差がつく生活習慣と、子どもの心の準備
  8. 名前つけを最短で終わらせる方法
  9. 入学式当日の持ち物と服装
  10. 共働き家庭が知っておきたい「小1の壁」
  11. 小学校の入学準備に関するQ&A
  12. 先輩保護者147名からのアドバイス

このページを読めば、いつ・何を・いくらで準備すればいいのかが全部わかり、あわてずに入学の日を迎えられるので、ぜひご覧ください。

筆者のプロフィール

著者:えりママ(元百貨店のランドセル販売員、現在は2児の母)
私は、23歳から4年間百貨店(主にランドセル売り場)に勤務し、その後2児の母となり、自分でも2回入学準備を経験しました。売り場では見えなかった「入学準備のリアルな大変さ」も含めて、全部まとめています。

1. 小学校の入学準備はいつから?年長1年間の完全スケジュール

小学校の入学準備スケジュール

入学準備は「1年前から」とよく言われますが、学用品のなかで1年前から動く必要があるのはほぼランドセルだけです。

学用品・体操服・上履きといった残りのものは、2月の入学説明会でリストが配られてから購入するのが基本になります。

ただし、学童保育の申し込みや就学時健康診断といった学校・自治体の手続きは秋から順に始まります。私立小学校の受験や、発達面の相談(就学相談)が必要な場合は、さらに早い時期から動くことになります。

下の表は、年長さんの4月から入学式までにやることを月ごとにまとめたものです。

時期やること急ぐ度
4〜5月ランドセルの新作発表・カタログの資料請求・展示会の予約/通う学校(学区)の確認★★★
6〜8月ランドセルの試着と購入(人気モデルはこの時期に完売)★★★
9〜10月就学時健康診断の通知が届く/学童保育の案内・見学/通学路の確認★★☆
10〜11月就学時健康診断を受ける★★★
12月学習机・学習スペースの検討/ランドセルが届き始める★☆☆
1月入学通知書が届く/学童保育の申し込み★★☆
1月下旬〜2月入学説明会。学用品リストが配られ、ここから本番/生活リズムの切り替えを開始★★★
2〜3月学用品の購入・名前つけ・通学路の練習・入学式の服装準備★★★

とはいえ、この表のとおりに動けば万全かというと、そう単純でもありません。

入学準備を終えたばかりの保護者147名に、実際にいつから始めたかと、もっと早く始めればよかったと思うことを聞いてみました。まずは開始時期です。

147人へのアンケート結果「いつ入学準備を始めた?」

入学準備を始めた時期割合
年長の4〜7月34.0%
年長の8〜11月23.8%
年長の12〜1月19.1%
入学説明会(2月)以降17.7%
年中さん以前5.4%

最も多いのは年長の4〜7月で34.0%。ランドセル商戦のピークと重なります。一方で説明会が終わってから動き出した家庭も17.7%いて、それでも間に合っているということです。

注目したいのは次の質問です。

147人へのアンケート結果「もっと早く始めればよかったと思うもの」※複数回答

もっと早く始めればよかったもの割合
持ち物への名前つけ48.3%
早寝早起きなど生活リズム42.2%
学童の手続き29.3%
ランドセル選び21.1%
ひらがなや数の学習18.4%
学用品の購入12.2%
特にない13.6%

後悔が集中しているのはランドセルではなく、「持ち物への名前つけ」と「生活リズム」でした。ランドセルは21.1%にとどまっています。

理由は単純で、ランドセルは「早く動くもの」だと世間に知れ渡っているからで、みんなしっかり調べるので後悔しません。逆に、名前つけ・生活リズム・学童の手続きは誰も警告してくれないため、後悔が集中します。

つまり入学準備の正しい優先順位は、「買うのは説明会のあとでいい。ただし名前つけの準備と生活リズムの切り替えだけは早く動く」ということです。

それぞれの時期に何をすればいいのか、順番に見ていきましょう。

1-1. 【4〜5月】ランドセルの情報収集をスタート

多くのランドセルメーカーは、入学の前年の春に新作を発表し、4〜5月から予約受付を始めます。

この時期にやることは、カタログの資料請求と、展示会・ショールームの予約の2つだけです。

カタログは無料で、色見本の生地サンプルが付いてくるメーカーも多く、画面で見る色と実物の色の違いを確認できます。人気メーカーは早期購入特典を用意していることもあるので、気になるところは一括で取り寄せておくとラクです。

展示会は土日から埋まっていくため、行きたい会場が決まっているなら発表と同時に予約を取っておきましょう。

あわせてこの時期に、お子さんがどの小学校に通うことになるのか(通学区域)も確認しておくと安心です。自治体のホームページで学区が公開されています。引っ越しを検討している家庭は、住所によって就学先が変わるため、早めに調べておくとあとの手続きがスムーズです。

展示会に行く際の注意点は、こちらのページ「ランドセル展示会に行く際の全注意点とおすすめランドセル情報」をご覧ください。

1-2. 【6〜8月】ランドセルを試着して決める

工房系と呼ばれる職人系メーカーは生産数が限られているため、夏の時点で人気の色やモデルから完売していきます

実際に背負って決めたいなら、6〜8月に試着まで済ませておくのが安全です。夏休み中は百貨店やショールームが混み合うので、平日の午前中がねらい目です。

一方で、大手量販店やナイロン系の軽量モデルは秋以降も在庫が残りやすいので、慌てる必要はありません。
実際、売り場にいた頃も8月のお盆過ぎに「まだ間に合いますか?」と来られる方がとても多く、定番色は残っていても限定色やコードバンはほぼ完売、という状態でした。こだわりがある家庭ほど早く動くと覚えておいてください。

1-3. 【9〜10月】就学時健康診断の通知が届く

9月末〜10月上旬になると、お住まいの自治体の教育委員会から「就学時健康診断通知書」が郵送で届きます。

これは翌年4月に小学校へ入学する子ども全員が対象で、通知書に受診する小学校と日時が指定されています。10月末になっても届かない場合は、教育委員会の担当課に問い合わせてください。

また、共働き家庭の場合はこの時期に学童保育(放課後児童クラブ)の案内が自治体のホームページに出ます。申し込みは1月頃が多いですが、定員や必要書類は早めに確認しておきましょう。

学童は、施設によって雰囲気も過ごし方もかなり違います。見学を受け付けているところが多いので、申し込む前に一度見ておくと、子どもに説明するときも具体的に話せます。

そしてもうひとつ。就学時健康診断で学校へ行く日は、通学路を下見する絶好のタイミングです。せっかくなので車ではなく、入学後に実際に歩くルートで向かってみてください。

1-4. 【10〜11月】就学時健康診断を受ける

就学時健康診断は、10月〜11月に入学予定の小学校で実施されます。

内容は自治体によって多少違いますが、おおむね次のような項目です。

  • 身長・体重の測定
  • 内科・眼科・耳鼻科・歯科の検診
  • 視力検査・聴力検査
  • 簡単な面接(名前や通っている園を聞かれる)

当日は母子健康手帳・上履き・下足を入れる袋・筆記用具を持参するのが一般的です。内科検診があるので、子どもが自分で脱ぎ着しやすい上下が分かれた服で行かせてあげてください。

受付のあとに親子が別行動になる学校もあります。不安が強い子には「途中でママと少し離れるけど、すぐ会えるよ」と事前に伝えておくと落ち着いて受けられます。

なお、この日に合わせて保護者向けの入学説明会や子育て講座を行う学校もあります。

1-5. 【12〜1月】学習机の検討と入学通知書

12月は、ランドセルが順次自宅に届き始める時期です。同時に学習机や学習スペースをどうするかを考え始めましょう。

学習机は必ず買わなければいけないものではありません。低学年のうちはリビング学習をする家庭が多く、実際に机を買ったのに使わずリビングで宿題をしている、というのはよくある話です。焦らず、入学後の様子を見てから買うという選択も十分ありです。

1月中旬〜下旬には、教育委員会から「入学通知書」が届きます。これは入学受付のときに学校へ提出する大切な書類なので、なくさないよう決まった場所に保管してください。2月中旬になっても届かない場合は、教育委員会の学事課に問い合わせましょう。

ランドセルが届いたあとの置き場所に悩む方は、こちらのページ「どんなズボラな子でもきちんと置けるたった1つのランドセル置き場」が参考になります。

1-6. 【1月下旬〜2月】入学説明会が準備の本番スタート

入学説明会(新入学児童保護者会など名称はさまざま)は、1月下旬から2月にかけて各小学校で行われます。

ここで学用品のリストが配られ、入学準備が一気に本格化します。説明会でよく話されるのは次のような内容です。

  • 必要な学用品と、その規格(サイズ・色・キャラクターの可否など)
  • 学校指定品の販売(体操服・上履き・防災頭巾カバーなど)
  • 通学路と集団登校の有無
  • 登校時間・給食・欠席連絡の方法
  • PTAや保護者の当番について

配布資料は入学後もたびたび見返すことになるので、クリアファイルにまとめて1か所に保管しておくのがおすすめです。

1-7. 【2〜3月】学用品の購入と名前つけ

説明会が終わったら、リストを見ながら学用品をそろえます。ここが入学準備でいちばん忙しい時期です。

ただし、3月下旬は卒園式や謝恩会が重なって想像以上にバタバタします。学用品は2月中〜3月上旬までに買い終え、3月中旬から名前つけに入るくらいのペースが理想です。

名前つけを甘く見ていると、算数セットのおはじき1個ずつに名前を書く作業で心が折れます。効率的なやり方は「8. 名前つけを最短で終わらせる方法」で詳しく解説します。

2. 【完全版】小学校の入学準備品チェックリスト

小学校で必要になるものを、6つのカテゴリに分けてまとめました。

ただし、学用品の細かい規格は学校ごとに違います。ここでは「一般的にどの学校でも必要になるもの」と「相場」を押さえておき、最終的には入学説明会で配られるリストで確認してください。

2-1. 通学に使うもの

品目目安価格選ぶときのポイント
ランドセル4〜10万円平均購入価格は約6万円。背負いやすさと容量で選ぶ
防犯ブザー1,000〜2,000円自治体から配布される学校も多い。調査では37.4%が「買う必要がなかった」と回答
雨がっぱ・レインコート2,000〜4,000円ランドセルを背負ったまま着られるタイプが便利
長靴2,000〜4,000円自分で脱ぎ履きできる高さのものを
1,000〜2,000円1年生は45〜50cm。透明窓付きが安全
キーホルダー・反射材500〜1,500円冬の下校時に効果大

ランドセルは入学準備でいちばん大きな買い物です。一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会の「ランドセル購入に関する調査 2026年」によると、購入金額の平均は約6.2万円となっています。

祖父母から入学祝いとして贈られるケースも多いため、誰が買うのかを早めに家族で話し合っておくと予算が立てやすくなります。

2-2. 文房具・学用品

品目目安価格選ぶときのポイント
筆箱1,000〜2,000円低学年は箱型が指定されることが多い。布製ポーチは不可の学校も
鉛筆(2B・6本程度)500〜1,000円指定は2Bが主流。三角軸だと持ち方が安定する
赤鉛筆100〜300円赤青鉛筆を指定されることもある
消しゴム100〜200円よく消えるシンプルな白いもの。香り付きは禁止が多い
下敷き100〜300円無地・半透明が無難
連絡帳・連絡袋300〜800円学校指定の場合が多い
自由帳・ノート類500〜1,000円マス目の数が指定される。説明会後に買う
クレヨン・色鉛筆1,000〜2,000円幼稚園で使っていたものを流用できる場合も
のり・はさみ500〜1,000円はさみは左利き用があるか確認
お道具箱500〜1,500円机の中に入るサイズ指定あり
算数セット2,000〜3,000円学校一括購入が多い。名前つけが最大の難所
手提げ袋・上履き袋1,000〜3,000円サイズ指定あり。手作り指定の学校もある

2-3. 衣類・体育で使うもの

品目目安価格選ぶときのポイント
体操服(上下)5,000円前後指定品が多い。洗い替えに2セットなら1万円程度
紅白帽(赤白帽)600〜900円あごひも付きが指定されることが多い
上履き1,500〜2,500円入学までに足が伸びるので購入は2〜3月に
体育館履き1,500〜2,500円上履きと兼用の学校もある
ハンカチ・ティッシュ1,000〜2,000円毎日持参。多めに用意しておく
普段着(着回し用)1〜2万円制服がない学校は動きやすい服を数着
水着・水泳帽3,000〜5,000円プール開始は6月頃。急がなくてよい

上履きは、2月に買うと入学までに足が大きくなって履けなくなることがあります。3月に入ってからサイズを測り直して買うのが安全です。

2-4. 給食で使うもの

品目目安価格備考
給食袋(巾着)500〜1,000円週末に持ち帰るので2つあると回せる
ランチョンマット・ナフキン500〜1,000円机のサイズに合うものを
給食用マスク300〜800円布マスク指定の学校もある
コップ・歯ブラシ500〜1,000円給食後の歯みがきがある学校のみ
エプロン・三角巾1,000〜2,000円給食当番が始まる時期に必要

2-5. 家で用意する学習環境

品目目安価格備考
学習机3〜7万円必須ではない。リビング学習なら不要な場合も
学習椅子1〜3万円足がしっかり床につく高さに調整できるもの
ランドセルラック5,000〜2万円「置く場所を決める」だけでも効果あり
デスクライト3,000〜1万円手元が影にならない位置に
アナログ時計1,000〜3,000円数字が全部書いてあるものが学習向き
目覚まし時計1,000〜3,000円自分で起きる習慣づけに

2-6. 意外と見落としがちなもの

リストには載っていないのに、入学後に「これ必要だった」となりやすいものです。

  • お名前シール・お名前スタンプ:名前つけの必需品。2月中に注文しておく
  • キッズ携帯・GPS端末:共働き家庭は検討。学校の持ち込みルールを要確認
  • 防災頭巾・防災頭巾カバー:座布団兼用が指定されることが多い
  • ぞうきん(1〜2枚):ループ付き指定の学校もある
  • プリント整理用のファイル:想像の3倍プリントが来ます
  • 水筒の肩紐カバー:ないと首が擦れて痛がります。水筒とセットで用意を

3. 説明会の前に買うと損するもの・先に買っていいもの

入学準備で無駄な出費が生まれる原因は、ほぼ「説明会の前に買ってしまうこと」です。

買い直しになりやすいものと、先に買っても問題ないものを整理しました。
その前に、どれくらいの家庭が失敗しているのかを見てください。147名に「買い直しになったもの」を聞いた結果です。

147人へのアンケート結果「買い直しになったもの」

買い直しになったもの割合
筆箱(布製指定だった、壊れた)27.2%
手提げ袋・上履き袋(サイズ指定があった)21.8%
ノート(マス目の指定が違った)19.0%
上履き(サイズアウト)15.0%
体操服8.8%
お道具箱5.4%
防災頭巾3.4%
買い直しはなかった40.1%

買い直しを経験しなかった家庭は40.1%。つまり約6割が、何かしら買い直しています。

さらに「買って後悔した・結局使わなかったもの」も聞きました。

147人へのアンケート結果「買って後悔したもの」

買って後悔したもの割合
防犯ブザー(学校から配布された)37.4%
キャラクターの文房具(学校で禁止された)32.0%
学習机(結局リビング学習になった)28.6%
多機能な筆箱(重い、すぐ壊れる)25.2%
市販の手提げ袋(指定と違った)16.3%
早めに買った上履き(足が大きくなった)13.6%
特にない17.7%

1位が意外かもしれません。防犯ブザーは自治体や学校から無償で配布されるケースが多く、37.4%の家庭が「買う必要がなかった」と答えています。自由記述にも「防犯ブザーは自治体から配られるか事前にリサーチを」という声がありました。

2位から4位は、いずれも説明会の前に買ったために起きた後悔です。ここから先の内容は、この6割をゼロにするためのものだと思って読んでください。

3-1. 入学説明会を待つべきもの

品目理由
体操服・紅白帽学校指定品で、説明会当日に販売されることが多い
ノート類マス目の数(8マス・12マスなど)が学年で指定される
筆箱・文房具キャラクターNG、箱型のみなどのルールがある
手提げ袋・上履き袋縦横のサイズが指定される。手作り指定の学校もある
お道具箱机の引き出しに入るサイズが決まっている
防災頭巾椅子カバー兼用など、形式が学校で決まっている
上履き指定メーカーの場合があり、足のサイズも変わる

3-2. 先に買っておいていいもの

品目理由
ランドセルむしろ早くないと選べない。1年前から動く唯一のもの
お名前シール・スタンプ3月は注文が混み合い、届くまで2週間かかることも
雨具・長靴・傘学校指定はほぼない。セール時期に買える
目覚まし時計・アナログ時計生活習慣づくりに使うので、むしろ早いほうがいい
ハンカチ・ティッシュいくつあっても困らない
入学式の服3月は人気サイズから売り切れる

3-3. 実は「買わなくていい」ものもある

入学準備というと全部そろえなければと思いがちですが、次のものは急いで買う必要がありません。

  • 学習机:低学年はリビング学習が主流。入学後に必要になってから買っても遅くない
  • キャラクター文具:授業中に気が散るため禁止の学校が多い
  • 高機能な筆箱:ふたが何枚も開くタイプは中身が散らかりやすい
  • 水着・絵の具セット・鍵盤ハーモニカ:使い始めるのは初夏以降。学校一括購入のことも多い

筆者も上の子のときに、かわいい布製ポーチの筆箱を先に買って「箱型のみ」と言われ買い直しました。説明会の前に買っていいのはランドセルと名前グッズくらい、と思っておくと失敗しません。

4. 入学準備にかかる費用は総額いくら?内訳と抑える5つの方法

まず、147名に実際にかかった金額を聞いた結果から見てください。ランドセルは金額の幅が大きいため、別の設問として聞いています。

147人へのアンケート結果【ランドセル以外の入学準備にかかった総額】

金額割合
3万円未満12.2%
3〜5万円36.1%
5〜8万円27.2%
8〜12万円15.0%
12万円以上4.1%
覚えていない5.4%

147人へのアンケート結果【ランドセルの購入金額】

金額割合
4万円未満8.8%
4〜6万円35.4%
6〜8万円39.5%
8〜10万円12.9%
10万円以上3.4%

ランドセル以外は3〜8万円に63.3%、ランドセルは4〜8万円に74.9%が集まりました。

2つを合算すると、多くの家庭は7〜16万円のレンジに収まります。

この記事で紹介した準備品の一般的な価格を積み上げて当サイトで試算した金額も、ほぼ同じ範囲になりました。

公立小学校でおよそ8〜15万円、私立小学校で10〜25万円が目安になります。

用意するもの自体は公立も私立も大きく変わりませんが、私立は制服や指定サブバッグがあるぶん高くなります。金額の幅が大きいのは、学習机を買うかどうかで総額が数万円単位で変わるためです。

4-1. 入学準備費用の内訳

項目費用の目安節約できる?
ランドセル4〜10万円
学習机・椅子0〜10万円◎(買わない選択も)
体操服・上履きなど衣類1〜2万円△(指定品が多い)
文房具・学用品1〜1.5万円
手提げ袋・給食袋など3,000〜1万円◎(手作りも可)
雨具・防犯グッズ5,000〜1万円
入学式の服(子ども)5,000〜2万円◎(レンタルも可)
名前つけグッズ1,000〜3,000円△(時間を買う投資)

表を見てわかるとおり、費用の大半を占めるのはランドセルと学習机の2つです。裏を返せば、この2つの方針を決めれば総額はほぼ決まります。

4-2. 入学後にもかかり続けるお金

入学準備が終わっても支出は続きます。1年生の1年間で追加になりやすいものが下記です。

  • 鍵盤ハーモニカ(ピアニカ):4,000〜6,000円
  • 絵の具セット:2,000〜4,000円
  • 学童保育:月5,000〜1万円程度(自治体による)
  • PTA会費・教材費:月数百〜千円程度
  • 給食費:公立小学校は2026年4月から大幅に軽減(下記参照)

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立小学校の1年間の学習費総額は約33万6,000円(私立は約182万8,000円)です。このうち学校教育費は公立で年間約8万2,000円、学校外活動費(習い事や通信教育など)が約21万6,000円を占めています。

つまり公立でも、お金がかかるのは学校そのものより「学校の外」です。入学準備の段階で、習い事や家庭学習にどれくらい予算をかけるかも合わせて考えておくと無理がありません。

4-3. 給食費は2026年4月から大幅に軽減された

給食費は月4,000〜5,000円、というのが長らく相場でした。しかし2026年4月から、公立小学校の給食費は国の支援によって大幅に軽減されています。(参考:文部科学省

児童1人あたり月額5,200円(年間は11か月分で最大57,200円)を基準額として、国が自治体を通じて食材費を支援する仕組みです。

  • 所得制限はなく、給食を実施している学校の児童は一律に対象
  • 保護者の申請・手続きは原則不要
  • 対象は公立小学校(義務教育学校の前期課程・特別支援学校小学部を含む)
  • 中学校は国の制度の対象外(独自に軽減している自治体はある)

ここで注意したいのは、これは「完全な無償化」ではないということです。

文部科学省もこの取り組みを「無償化」ではなく「学校給食費の抜本的な負担軽減」と表記しています。給食の内容や回数は自治体ごとに違うため、食材費が基準額を超える自治体では、超えた分について引き続き保護者から徴収することが認められているからです。

つまり多くの家庭で給食費の負担はなくなるか大幅に軽くなりますが、自治体によっては一定額の負担が残ります。私立小学校も対象外です。実際の負担額は、入学説明会の資料か、お住まいの自治体の教育委員会で確認してください。

4-4. 入学準備の費用を抑える5つの方法

①学習机はいったん買わない

最大の節約ポイントです。低学年のうちはリビング学習で十分なケースが多く、実際に使うようになってから選んだほうが失敗しません。

②祖父母からの入学祝いを何に使うか決めておく

ランドセルを祖父母に買ってもらう家庭は多いですが、「机とランドセルの両方」は先方の負担も大きくなります。どちらか一方をお願いし、もう一方は自分たちで、と決めておくとスムーズです。

③手提げ袋・給食袋は同じ生地でまとめて作る

既製品を個別に買うより安く、名前つけの目印にもなります。ミシンがなくても手芸店の製作サービスを使えば1点1,000円台で作れます。

④文房具はまとめ買いせず、最初は最小限に

鉛筆は消耗が早いので予備は必要ですが、キャラクター文具や高機能な筆箱は使えないことも多いです。まずは指定どおりの最小構成でスタートしましょう。

⑤ランドセルは「型落ち」「アウトレット」も検討する

メーカーが公式に販売する前年モデルや展示品は、性能はそのままで2〜3割安く買えることがあります。色や在庫は限られますが、こだわりが強くない家庭には有力な選択肢です。

安く買う方法を詳しく知りたい方は、こちらのページ「ランドセルが安い時期はいつ?時期に関わらず安く買うための全知識」をご覧ください。

4-5. 【重要】就学援助の「入学前支給」を知っておく

意外と知られていませんが、経済的に不安がある家庭向けに、入学前に新入学学用品費を受け取れる制度があります。

これは就学援助制度の一部で、本来は入学後の7月頃に支給される「新入学学用品費」を、入学前の2〜3月に前倒しで支給するものです。

項目内容
支給額(小学校)50,000円程度(自治体により異なる)
申請時期9月〜1月頃(自治体により異なる)
支給時期入学前の2月〜3月
対象世帯収入が基準以下の家庭(生活保護受給世帯は別制度)
申請先お住まいの市区町村の教育委員会(学務課など)

申請期間が秋のうちに終わってしまう自治体も多いので、該当しそうな場合は早めに確認してください。受付を逃した場合も、入学後に就学援助を申請すれば同額を後から受け取れる自治体がほとんどです。

金額・時期・所得基準は自治体ごとに違うため、「〇〇市 就学援助 新入学学用品費」で検索し、公式ページで確認しましょう。

5. ランドセル選びで後悔しないための5つのポイント

入学準備でいちばん高く、いちばん早く決めなければいけないのがランドセルです。ここでは元販売員の視点から、後悔しない選び方を5つに絞って紹介します。

5-1. 買う時期は「春に情報収集、夏までに決定」

工房系メーカーは生産数が限られているため、人気モデルは夏で完売します。逆に、大手量販店の量産モデルは秋以降も選べます。

こだわりがあるなら夏まで、特にこだわりがないなら秋以降で問題ありません。年明けは在庫処分で安くなる一方、選べる色が極端に減ります。

なお、人気工房の限定モデルを第一希望にしている家庭では、年中さんの冬から情報収集を始めるケースも増えています。どうしても譲れないモデルがある場合は、前年の秋ごろから展示会情報をチェックしておくと安心です。

5-2. 「軽さ」ではなく「背負ったときの軽さ」で選ぶ

多くの人がカタログの重量だけで比較しますが、実際は重心の位置と背カンの構造のほうが体感の重さを左右します

1,100gのランドセルでも背中から離れていれば重く感じ、1,300gでも背中に密着していれば軽く感じます。試着のときは、教科書を入れる想定で重りを入れて背負わせてください。

重さの問題については、こちらのページ「知らないと危険?ランドセル症候群の症状や原因&対策の全て」で詳しく解説しています。

5-3. 容量は「A4フラットファイル対応」が今の標準

学校で配られるプリントファイルはA4フラットファイルが主流です。A4クリアファイル対応だと入らないことがあるため、A4フラットファイル対応(内寸幅23.2cm以上)を選んでおくと安心です。

また、マチ幅は12cm以上あると教科書とタブレットを一緒に入れても余裕があります。

5-4. 色は「6年生になった自分」を想像させて選ぶ

年長さんは目の前のかわいさで選びます。しかし6年間使うものなので、高学年になったときに恥ずかしくないかという視点が必要です。

おすすめは、本体は落ち着いた色にして、ステッチや裏地で個性を出す選び方です。これなら子どもの「かわいいのがいい」という気持ちも満たせます。

色選びで迷っている方は、こちらのページ「ランドセルの色を決める前におさえるポイント集」をご覧ください。

5-5. 6年間保証の「中身」を確認する

ほとんどのメーカーが6年間保証をうたっていますが、内容には差があります。確認すべきは次の3点です。

  • 子どもの不注意による破損も無償修理の対象か
  • 修理期間中の代替ランドセルの貸し出しがあるか
  • 往復の送料はどちらが負担するか

特に代替品の貸し出しは重要です。修理に2〜3週間かかることもあり、その間に使うものがないと困ります。

5-6. 元販売員が選ぶ、バランスのいいメーカー3社

41社を比較した上で、機能・価格・保証のバランスがよかったのが下記の3社です。

男女別・価格帯別の具体的なモデルや、41社の比較結果は専用ページにまとめています。入学準備全体の話に戻る前に、ランドセルだけ先に決めてしまいたい方はそちらをご覧ください。

ランドセル選びの全体像は、こちらのページ「プロが教える!最高のランドセル購入ガイド最新版」にまとめています。

6. 入学前の「学習」の準備はどこまで必要?

入学準備でモノの次に不安になるのが「勉強はどこまでやらせておくべきか」です。

ここからは、ライターが代わり、塾講師として10年以上子どもを見てきた著者が解説します。

筆者のプロフィール

著者:ケンタ(10年以上の塾講師経験がある一児の父)
私は、大学時代のバイトから正社員を入れて10年以上の塾講師経験がありますが、田舎への移住をきっかけに通信教材を使って息子と勉強することにしました。自身の教育経験を活かして、どの教材がどんな子に向いているかお伝えします。

10年以上小中学生を指導してきた経験から言うと、入学時にひらがなや簡単な計算ができるかどうかだけで、その後の学力が決まるとは感じていません。それより大事なことがあります。

6-1. 大前提:学校は基礎の基礎から教えてくれる

最初に安心してほしいのは、小学校では、ひらがなの書き方も数の基本も、段階を追って一から学習するということです。

国語は鉛筆の持ち方や線をなぞるところから始まり、そこからひらがなの読み・書きへ進みます。算数も、数を数える・数字を書くところからのスタートです。

ですから「入学までに全部できるようにしなければ」という必要はまったくありません。

6-2. ひらがなは「自分の名前が読める」で十分

とはいえ、まったくのゼロだと本人が不安になります。目安を知っておきましょう。

文部科学省の「幼児教育、幼小接続に関する現状について」では、年長児の9割以上がひらがなを読めて、自分の名前もひらがなで書けるとされています。「学研教育総合研究所の調査」でも、年長児のひらがな識字率は約90%です。

147人へのアンケート結果「入学前、ひらがなはどこまでできたか」

入学前のひらがな割合
読み書きどちらもできた43.5%
読めたが書けなかった32.0%
自分の名前だけ読めた12.2%
短い文章も書けた9.5%
ほとんど読めなかった2.7%

ここで安心してほしいのは、「書けないまま入学した子」が半数近く(44.2%)いるという点です。

読める子はほぼ全員ですが、書けるかどうかは半々。焦って書く練習をさせる必要はありません。自由記述にも「入学前は『ひらがな書けない』と焦りましたが、学校で一から丁寧に教えてくれるので大丈夫でした」という声がありました。

ただし同じ調査では、清音(あいうえお)に比べて濁音(がぎぐげご)は読める子が減り、「せっけん」の「っ」のような促音は特に難しいという傾向も出ています。

入学前の現実的なゴールは次のとおりです。

項目入学前の目安できなくても大丈夫?
ひらがなを読む清音がだいたい読める
自分の名前を読む読める△(できると安心)
自分の名前を書く書ける
カタカナ不要
漢字不要

自分の名前だけは読めるようにしておくと、ロッカー・靴箱・座席がわかるので本人がラクです。入学説明会でも、これだけはお願いされることが多い項目です。

6-3. 数は「計算」より「量の感覚」

学研教育総合研究所の調査では、1〜10までの数字が全部読める年長児は約91%、12枚のカードを数えられる子は約83%でした。数字が読めても、実際にモノを数えるとつまずく子がいるということです。

つまり大事なのは、たし算ができることではなく「数と量が結びついていること」です。

家庭でできることは、机の上ではなく生活の中にあります。

  • お皿を家族の人数分だけ出してもらう
  • おやつを「3個ずつ分けて」とお願いする
  • 買い物で「りんごを5個とって」と頼む
  • 階段を一緒に数えながらのぼる

6-4. 時計は「◯時ぴったり」が読めれば合格

時計も入学後わりとすぐに習いますが、最初に扱うのは「◯時ちょうど」と「◯時30分」だけです。分単位まで読める必要はありません。

それより大切なのは、時計を生活の中で使えることです。「長い針が6になったらお風呂ね」といった声かけを積み重ねるほうが、時計の読み方ドリルより効果があります。

このとき、家にあるのがデジタル時計だけだと練習になりません。数字が12個すべて書かれたアナログ時計を、子どもの目線の高さに1つ置いておきましょう。

6-5. 経験者が「やっておけばよかった」と答えた1位と2位

147名に「学習面でやっておけばよかったこと」を複数回答で聞いた結果が下記です。

147人へのアンケート結果「学習面でやっておけばよかったこと」

やっておけばよかったこと割合
短い時間でも机に向かう習慣45.6%
鉛筆の正しい持ち方41.5%
時計を読む36.1%
ひらがなを書く28.6%
数を数える17.0%
特にない14.3%

上位2つは「机に向かう習慣」と「鉛筆の持ち方」で、文字や数の先取りは下位でした。

入学を経験した保護者ほど、勉強の中身より勉強に向かう「型」のほうが大事だったと感じている、ということです。ここからは、その2つを順に見ていきます。

塾で高学年を見ていて、いちばん直しづらいのが鉛筆の持ち方です。一度クセがつくと、あとから矯正するのは本当に大変です。

入学前に取り組むなら、ひらがなの練習量を増やすより正しい持ち方を身につけるほうが、6年間の効果がはるかに大きいと断言できます。

  • 三角軸の鉛筆や、持ち方サポートグリップを使う
  • 2Bなど濃くやわらかい芯にして、力まなくても書けるようにする
  • 迷路・点つなぎ・ぬり絵で「線を引く」経験を増やす
  • 足が床につく高さの椅子に座らせる(姿勢が崩れると持ち方も崩れる)

6-6. 「45分座る練習」は必要ない

1年生の授業は45分ですが、入学前に45分座る練習をさせる必要はありません。

園では自由に動いていた子がいきなり45分座るのはハードルが高いですし、そもそもこれは根性で身につくものではありません。「好きなことに集中している時間」を少しずつ伸ばすのがコツです。

絵本、ブロック、お絵かき、パズル、なんでも構いません。夢中になっているときに声をかけて中断させないことが、集中力を育てる最大のポイントです。

机に向かう練習をするなら、1日5〜10分で十分。長さより毎日同じ時間にやることのほうが効きます。

6-7. 先取りより大事な「勉強を嫌いにさせない」こと

ここがいちばん伝えたいところです。

文字にまだ興味がない子に無理やりドリルをやらせると、「字を書くのはきらい」「勉強はつまらない」という記憶だけが残ります。入学前に得たわずかなアドバンテージと引き換えに、6年分のやる気を失うのは割に合いません。

子どもが「読みたい」「書きたい」と言い出したタイミングを逃さない。それが唯一の正解です。文字への興味は4〜5歳ごろに芽生えることが多く、お友達との手紙のやりとりがきっかけになる子もたくさんいます。
塾で指導していると、先取りをしてきた子でも、高学年になるにつれて学習意欲を落としてしまうケースはあります。だからこそ、入学前は先に進む量よりも「学ぶことを嫌いにしない」ことを優先してほしいと考えています。

6-8. 家庭学習の習慣づけに通信教育を使う方法もある

「毎日5〜10分、同じ時間に机に向かう」を家庭だけで続けるのは、思っている以上に大変です。親が教材を用意し、丸つけをし、やる気を保たせる必要があるからです。

その手間を減らしたい家庭には、通信教育を使う方法もあります。1回10〜15分程度の分量に設計されていて、毎月届くので「今日は何をやるか」を親が考えなくて済みます。

もちろん必須ではありません。学習習慣が自然についている家庭には不要ですし、始めるとしても、まずは資料請求や無料体験で子どもの反応を見てから決めるのが安全です。

教材選びで迷っている方は、こちらのページ「小学生におすすめの通信教育6選|失敗しない通信教材の選び方」をご覧ください。

7. 学力より差がつく生活習慣と、子どもの心の準備

1年生の4月に困るのは、勉強ができない子ではなく生活のことを自分でできない子です。ここは入学前にやっておくと本当に効きます。

147人へのアンケート結果「入学後、生活面で一番困ったこと」

入学後に一番困ったこと割合
朝起きられない29.3%
忘れ物が多い22.4%
着替えに時間がかかる16.3%
給食を時間内に食べられない11.6%
困ったことを先生に言えない8.8%
学校のトイレ6.1%
特になし5.4%

1位と2位を合わせると半数を超えます。どちらも「朝」に起きる問題です。

入学準備の記事ではトイレや給食が強調されがちですが、実際に親を悩ませているのは朝の時間でした。この順番を意識して読んでください。

そして最後に、入学準備の情報からいちばん抜け落ちやすい「子どもの気持ちの準備」についても触れます。

7-1. 朝のリズムと、自分で支度する力(困りごと1位・2位)

園の頃より起床時間が30分〜1時間早くなる家庭がほとんどです。

いきなり変えるのは無理なので、1月頃から15分ずつ前倒ししていくのがコツです。起きる時間を先に固定すると、夜も自然と早く眠くなります。

登校時刻から逆算し、「起床→朝食→着替え→トイレ→出発」までにどれくらいかかるかを一度シミュレーションしておきましょう。1年生は大人の1.5倍時間がかかります。

そして、朝のもうひとつの問題が「忘れ物」です。調査では22.4%が入学後いちばん困ったことに挙げていて、全体の2位でした。

1年生の持ち物は日によって変わります。体操服、上履き、給食袋、鍵盤ハーモニカ、図書の本。親が毎朝チェックしていると、いつまでも自分でできるようになりません。

有効なのは、持ち物を「見える化」してしまうことです。

  • 曜日ごとの持ち物を書いたボードを、玄関やランドセル置き場に貼る
  • 準備は朝ではなく前日の夜に済ませる習慣をつける
  • 連絡帳を見ながら、子ども自身にそろえさせる(親は最後に見るだけ)

自由記述にも「朝の支度ボードを作って、自分で準備する習慣を年長さんの冬くらいから始めると親が楽になります」という声がありました。入学してからでは間に合わないので、冬のうちに始めておくのが正解です。

7-2. 自分で着替えて、たたんでしまう

体育の時間は、限られた時間内に自分で着替えなければいけません。

  • 前後を間違えずに着られる
  • ボタンを自分でとめられる
  • 脱いだ服を軽くたたんで袋に入れられる

特に「たたんで袋に入れる」ができない子が多いです。家では脱いだ服を親がしまっているケースがほとんどなので、意識して練習させてください。

7-3. 学校のトイレで用を足せるようにする

調査では「一番困ったこと」に挙げた人は6.1%と多くありません。ただし、当てはまった家庭にとっては深刻度が高い問題です。

  • 和式トイレがある学校なら、公園などで練習しておく
  • 自分でおしりを拭ける
  • 休み時間に自分から行ける
  • 「学校でうんちをしてもいい」と伝えておく

最後の項目が特に大切です。恥ずかしさから我慢し続けて体調を崩す子は珍しくありません。「みんなしてるよ、我慢するほうが体に悪いよ」と、入学前に何度か話しておいてあげてください。

7-4. 決まった時間内に食べきる

給食を食べる時間は、準備と片づけを除くと実質15〜20分程度です。

完食を強制する時代ではありませんが、「時間を意識して食べる」経験はしておいたほうがラクです。家で「長い針が◯になるまでに食べようね」と練習するだけでも変わります。

好き嫌いは無理に直さなくて構いません。それより、食事が楽しい時間だと思えることのほうが大事です。

7-5. 「困った」を言葉にできるようにする

入学準備でいちばん見落とされていて、いちばん重要なのがこれです。

園では先生が気づいて助けてくれましたが、小学校は1クラス30人前後を担任1人で見ます。自分から言えないと、気づいてもらえません。

次のフレーズを、実際に声に出して練習しておきましょう。

  • 「トイレに行ってもいいですか」
  • 「気分が悪いです」
  • 「わかりません、もう一度言ってください」
  • 「〇〇を忘れました」
  • 「〇〇されて嫌でした」

家で親が先生役になり、ロールプレイのようにやると子どもは楽しんで覚えます。

7-6. 通学路を一緒に歩く

入学通知書で通学する学校が確定したら、実際の登校時間帯に、子どもの足で一緒に歩いてみてください

見るべきポイントは下記です。

  • 信号のない横断歩道と、見通しの悪い曲がり角
  • 朝の交通量(車が多い時間帯かどうか)
  • 子ども110番の家やコンビニなど、逃げ込める場所
  • 雨の日にすべりやすい場所
  • かかる時間(大人の1.3〜1.5倍で計算する)

1回で終わらせず、晴れの日と雨の日の両方で歩いておくと安心です。

2〜3月になったら、今度は子ども主導で歩かせてみてください。親は少し後ろからついていき、道順を子ども自身に選ばせます。「ここで曲がるんだよね」と口に出させると、本人の記憶に残ります。

7-7. 入学を不安がっている子への接し方

持ち物や生活習慣の準備に追われていると見落としがちですが、子ども自身も入学をかなり不安に感じています。

147名に「お子さんが『学校に行きたくない』と言いましたか」と聞いたところ、46.3%が「言った」と回答しました。内訳は入学後だけが32.0%、入学前だけが6.1%、両方が8.2%です。

つまりおよそ2人に1人は口にする、ということです。言われても、うちの子だけではありません。

年長さんの2〜3月は、卒園と入学が同時に迫って気持ちが揺れやすい時期です。急に甘えるようになったり、夜泣きが復活したり、「小学校に行きたくない」と言い出すことも珍しくありません。これは成長の過程でよくあることで、心配しすぎなくて大丈夫です。

やってはいけない声かけ

いちばん避けたいのが、小学校を「怖い場所」として使う声かけです。

  • 「小学校は幼稚園と違って厳しいよ」
  • 「そんなことしてたら先生に怒られるよ」
  • 「一年生になったら自分でやらなきゃダメなんだよ」

しつけのつもりで言ってしまいがちですが、子どもには「小学校=怖いところ」という印象だけが残ります。入学前の不安を、大人がわざわざ増やす必要はありません。

不安をやわらげる3つの方法

①具体的に想像できる情報を渡す

人は、わからないものを怖がります。「給食でカレーが出る日があるんだって」「休み時間は校庭で遊べるよ」など、楽しみになる具体的な場面を話してあげてください。抽象的な励ましより効きます。

②学校という建物に慣れさせる

就学時健康診断、校庭開放、地域のイベントなど、入学前に学校へ行ける機会は意外とあります。通学路の散歩のついでに外から眺めるだけでも構いません。何度か見ているうちに「知らない場所」ではなくなります。

③「困ったら先生に言えばいい」と繰り返し伝える

7-5で練習した言葉と組み合わせると効果的です。「わからなくなっても大丈夫、先生に聞けばいいんだよ」と何度も伝えておくと、子どもは「失敗してもなんとかなる」と思えるようになります。

実際に効いた声かけ(調査の自由記述より)

「行きたくない」と言われた家庭に、効果があった対応を聞きました。

  • 嫌な理由(給食、着替えなど)を具体的に聞き出して、一つずつ解決策を一緒に考えた
  • 「とりあえず門まで行ってみる?」とハードルを下げたら、そのまま登校できた
  • 家ではとにかく褒めて、学校のことはあまり根掘り葉掘り聞かずリラックスさせた

共通しているのは、「行きたくない」をまるごと否定していないことです。理由を具体的に分解するか、ハードルを下げるか、あるいは家を安全地帯にする。説得しようとしていないのが特徴です。

親も、抱え込まなくていい

入学後、しばらく泣いて登校する子はたくさんいます。ゴールデンウィーク明けにようやく落ち着く、というのもよくあるペースです。

うまくいかないときは、遠慮せず担任の先生に相談してください。1年生の担任は、そういう相談を受けることも仕事のうちです。家庭だけで解決しようとしないほうが、結果的に早く落ち着きます。

8. 名前つけを最短で終わらせる方法

入学準備の最後にして最大の山場が名前つけです。経験者が口をそろえて「これがいちばんつらかった」と言う作業です。

特に算数セットは、おはじき・数え棒・お金の模型などが数十〜百点以上あり、そのすべてに名前を入れる必要があります。

ただし、学校によっては名前入りシールが支給されたり、個人購入ではなく学校の備品として扱われることもあります。作業量が読めないので、説明会で確認しておきましょう。

147名に名前つけにかかった合計時間を聞いた結果が下記です。

名前つけにかかった時間割合
1〜3時間35.4%
3〜5時間32.7%
5〜10時間17.0%
1時間未満9.5%
10時間以上5.4%

3時間以上かかった家庭が55.1%、5時間以上も22.4%います。

1章で紹介したとおり、「もっと早く始めればよかったもの」の1位も名前つけ(48.3%)でした。入学準備でいちばん時間を読み違えやすいのがここだと思ってください。

8-1. 名前つけグッズは3種類を使い分ける

グッズ向いているものポイント
お名前シール(防水)文房具・算数セット・コップ極小サイズが入ったセットを選ぶ。算数セット用は必須
お名前スタンプノート・プリント・おたより袋入学後も6年間使える。買うなら大小のセット
アイロン・ノンアイロンシール体操服・靴下・ハンカチ洗濯を繰り返すと剥がれるので、上から縫うと安心

名前つけグッズは2月中に注文してください。3月は注文が殺到し、届くまでに2週間近くかかることもあります。ここだけは「早く買う」が正解です。

8-2. 場所別・名前の書き方ルール

  • 鉛筆:名入れサービスのある鉛筆を買うのがいちばん早い
  • 体操服:胸と背中の両方に指定される学校が多い。サイズも確認
  • 上履き:かかとの外側とつま先の内側。中敷きにも書いておくと安心
  • 傘・長靴:外から見える位置は防犯上避け、内側に記名する
  • ランドセル:外側には書かない。中の記名欄を使う
  • 算数セット:シールを貼ったあと上から透明テープを重ねると剥がれにくい

名前は基本的にひらがなで、本人が読める大きさで書きます。防犯上、外から見える位置に名前を出さないのは今の常識になっています。

8-3. 作業を早く終わらせる3つのコツ

①受け取ったその日に貼る

学用品はまとめて届くのではなく、少しずつ増えていきます。「あとでまとめて」は必ずパンクするので、その日のうちに済ませてしまいましょう。

②算数セットは家族で分担する

1人でやると2〜3時間かかります。テレビを見ながら家族3人で流れ作業にすれば1時間かかりません。

③子ども本人にも参加させる

名前を貼る作業を一緒にやると、自分の持ち物だという意識が育ちます。ひらがなの練習にもなり、一石二鳥です。

9. 入学式当日の持ち物と服装

最後に、入学式当日についてまとめます。

9-1. 子どもの持ち物

  • 入学通知書(受付で提出)
  • 上履きと、上履きを入れる袋
  • ランドセル(学校の指示による)
  • 筆記用具・下敷き
  • ハンカチ・ティッシュ
  • 配布物を持ち帰る手提げ袋

ランドセルを持っていくかどうかは学校によって違います。説明会の資料に記載があるので必ず確認してください。記載がなければ、担任か学校に問い合わせるのがいちばん確実です。

迷った場合の対処法は、こちらのページ「入学式にランドセルを持っていくべき?迷った場合の対処法」で解説しています。

9-2. 保護者の持ち物

  • 大人用のスリッパ(学校では貸し出しがないことが多い)
  • 下足を入れる袋
  • 筆記用具と印鑑
  • 配布物が入る大きめのサブバッグ(A4が入るもの)
  • カメラ・スマホ(充電を忘れずに)
  • ハンカチ

配布物は想像以上に多く、両手がふさがります。肩にかけられるサブバッグがあると、写真を撮るときにも困りません。

9-3. 服装の考え方

子どもは、写真映えより「自分で脱ぎ着できるか」を優先してください。式のあとに教室で過ごす時間があり、上着を脱いだり着たりします。新品の靴は靴ずれしやすいので、当日までに数回履かせておきましょう。

保護者は、入学式は「お祝いの場」なので明るめの色が一般的です。母親はセレモニースーツやワンピース、父親はダークスーツに明るいネクタイが定番です。

体育館は4月でも冷えます。ひざ掛けやストールがあると助かります。

10. 共働き家庭が知っておきたい「小1の壁」

共働き家庭には、学用品とは別に備えておきたいことがあります。いわゆる「小1の壁」です。

小学校に上がると、保育園時代には当たり前だったサポートが一気に減り、仕事との両立が難しくなります。入学してから気づくと打てる手が限られるので、準備期間のうちに確認しておきましょう。

今回の調査で共働きだった122名に、「小1の壁」で一番大変だったことを聞きました。

アンケート結果「一番大変だったこと(共働き)」

一番大変だったこと(n=122)割合
宿題のフォロー28.7%
長期休暇のお弁当24.6%
朝の時間(見送りのタイムリミット)20.5%
学童のお迎え時間13.9%
平日昼間の行事・PTA9.0%
特に困らなかった3.3%

意外に思われるかもしれませんが、1位は預かり時間ではなく「宿題のフォロー」でした。

学童のお迎えは13.9%にとどまっています。預かり時間の問題は制度で決まっていて事前に調べられるぶん、想定内に収まりやすいのだと考えられます。

逆に、毎日発生して終わりが見えない作業ほど効いてくるということです。「特に困らなかった」はわずか3.3%でした。

10-1. 「小1の壁」の正体は4つ

①預かり時間が短くなる

保育園は7時台から19時前後まで預かってくれるところが多い一方、学童保育は18時まで、延長しても19時が上限という施設が少なくありません。朝も、学校の門が開くのは8時前後です。

つまり朝と夕方に「空白の時間」ができるのが、小1の壁の構造的な原因です。

②長期休暇がある

夏休み・冬休み・春休みは給食がありません。学童に通わせる場合も、毎日お弁当を持たせることになります。朝から預けるので、生活リズムも変わります。

③平日昼間の行事が増える

保護者会、授業参観、個人面談、PTAの活動は平日の日中に設定されることが多く、そのたびに仕事の調整が必要になります。

④毎日の家庭タスクが増える

宿題の確認、連絡帳のチェック、翌日の持ち物の準備、音読カードへのサイン。1つ1つは数分でも、毎日必ず発生します。

10-2. 入学前にやっておく4つの対策

①朝の時間をどうするか先に決める

いちばん見落とされるのが朝です。親の出勤時刻が子どもの登校時刻より早い場合、子どもだけで家を出ることになります。早朝の受け入れがない学校も多いので、勤務時間の調整が必要かどうかを先に確認してください。

②学童の条件を申し込み前に確認する

  • 何時まで預かってもらえるか、延長はあるか
  • お迎えは必須か、ひとりで帰れるか
  • 長期休暇中の開所時間と、お弁当の要否
  • 宿題をやる時間やおやつがあるか

施設によって過ごし方がかなり違うので、見学できるなら申し込み前に行っておきましょう。

③第2の選択肢を調べておく

公設の学童は定員オーバーで入れないこともあります。民間学童、ファミリー・サポート・センター、送迎付きの習い事など、代替案を先に調べておけば、落選しても慌てずに済みます。

④職場に早めに伝える

時短勤務・フレックス・在宅勤務の可否は、4月になってから相談しても間に合いません。前年の秋ごろに上司へ共有しておくと、選べる選択肢が増えます。

10-3. 留守番の練習も入学準備のうち

学童に入れなかった場合や、学童から帰ったあとに一人になる時間ができる場合は、留守番の練習が必要になります。

いきなり長時間は無理なので、入学前から短い時間で慣らしていきましょう。

  • まずは15分程度から。親が近所へ買い物に行く間だけ、など
  • 鍵の管理ルールを決める(首から下げない、人前で出さない)
  • 来客やインターホンには出ない、を徹底する
  • 困ったときの連絡先を、見える場所に貼っておく

「2-6. 意外と見落としがちなもの」で挙げたキッズ携帯やGPS端末を検討するのも、このタイミングです。学校への持ち込みルールは自治体や学校によって違うので、説明会で確認してください。

10-4. 宿題のフォローをどう回すか

1年生の宿題は、音読・計算カード・プリントが中心で、保護者の丸つけやサインが前提になっているものが少なくありません。

帰宅が遅い家庭では、ここが毎日の負担になります。先ほどの調査で「小1の壁で一番大変だったこと」の1位(28.7%)になったのも、この宿題のフォローでした。

現実的な対策は下記です。

  • 学童で宿題を終わらせてもらえるか、事前に確認しておく
  • 丸つけは翌朝にまとめる、と割り切る
  • 自動採点される教材を使い、親の作業そのものを減らす

完璧にやろうとすると続きません。毎日必ず発生する作業をどう減らすかという視点で考えたほうが、結果的に長く回ります。

親の丸つけ負担を減らしたい方は、こちらのページ「1人で学習できる!小学校でおすすめのタブレット通信教材4選」が参考になります。

11. 小学校の入学準備に関するQ&A

最後に、よくある質問にまとめて回答します。

Q1. 入学準備はいつから始めればいいですか?

ランドセルは入学の1年前(年長の4〜5月)から、それ以外の学用品は入学説明会が終わる2月からで間に合います。準備が本格化するのは2〜3月です。

Q2. 入学準備の費用は総額でいくらかかりますか?

公立小学校でおよそ8〜15万円、私立小学校で10〜25万円が目安です。ランドセルと学習机が費用の大半を占めるため、この2つの方針で総額が大きく変わります。

Q3. ランドセルはいつまでに買えばいいですか?

工房系のこだわりモデルを希望するなら夏まで、量販店の量産モデルなら秋以降でも選べます。年明けは値下げされる代わりに色の選択肢がほとんど残りません。

Q4. 学習机は買わないとダメですか?

必須ではありません。低学年はリビング学習をする家庭が多く、入学後に必要性を感じてから買っても遅くありません。まずはランドセルと教科書の定位置を作るほうが優先度は高いです。

Q5. ひらがなが書けないまま入学しても大丈夫?

大丈夫です。学校は読み書きができない前提で、鉛筆の持ち方から教えてくれます。ただし、ロッカーや靴箱を判別するために自分の名前だけは読めるようにしておくと本人がラクです。

Q6. 入学前に通信教育は始めたほうがいいですか?

学力の先取りとしては不要ですが、毎日決まった時間に机に向かう習慣づけとしては有効です。無理に始める必要はないので、資料請求や無料体験で子どもの反応を見てから決めてください。

15社を比較した結果は、こちらのページ「小学生向き通信教育15社を徹底比較!希望別に分かる最高の教材」にまとめています。

Q7. 学童保育の申し込みはいつですか?

多くの自治体で、案内が9〜11月頃、申し込みが12〜1月頃です。定員を超えると入れないこともあるため、共働き家庭は自治体のホームページを早めに確認しておきましょう。

Q8. 名前つけはどこまでやればいいですか?

学校に持っていくものすべてです。鉛筆1本、おはじき1個まで対象になります。作業量が読めないので、名前つけグッズだけは2月中に注文しておいてください。

Q9. 入学祝いのお返しは必要ですか?

子どもへのお祝いなので、基本的にお返しは不要とされています。ただし、子ども本人からお礼の電話や手紙を出すと非常に喜ばれます。地域の慣習もあるので、身近な人に確認すると安心です。

入学祝いについては、こちらのページ「300人のママに聞いた!本当に喜ばれる小学校の入学祝いTOP10」をご覧ください。

Q10. 入学前に引っ越す予定がある場合はどうすればいい?

就学時健康診断は、通知書に記載された会場で受けるのが原則です。転居予定がある場合は、事前に教育委員会の学務課に相談してください。就学援助の入学前支給についても、転居先の自治体との調整が必要になることがあります。

Q11. 保育園と幼稚園で、入学準備に違いはありますか?

準備するもの自体は同じです。ただし保育園出身の子は昼寝の習慣が残っていることがあり、生活リズムの切り替えに少し時間がかかる傾向があります。1〜2月から早寝早起きに慣らしていきましょう。

Q12. 準備が間に合わなかったらどうなりますか?

入学式当日にすべてがそろっていなくても、大きな問題にはなりません。学用品は入学後に少しずつ使い始めるものも多く、担任に伝えれば対応してもらえます。焦って質の低いものを買うより、落ち着いてそろえるほうが結果的にうまくいきます。

Q13. 子どもが「小学校に行きたくない」と言っています

年長さんの2〜3月にはよくあることなので、まずは心配しすぎないでください。不安の正体はたいてい「どんな場所かわからない」ことです。

「小学校は厳しいよ」といった脅しの声かけは逆効果になります。給食や休み時間など楽しみになる具体的な場面を話し、通学路の散歩などで学校を何度か見せてあげてください。あわせて「困ったら先生に言えばいい」と繰り返し伝えておくと、気持ちがずいぶん軽くなります。

12. 先輩保護者147名からのアドバイス

調査の最後に、「これから入学するご家庭へのひとことアドバイス」を自由記述で聞きました。35件の回答から、特に実用的なものを紹介します。

12-1. 買い物について

  • 学用品は絶対に入学説明会が終わってから買うべき。フライング購入は後悔のもとです
  • 名前シールの「算数セット用(極小)」は必須。ピンセットも百均で買っておくと便利です
  • ランドセルは親の好みより、とにかく「軽さ」を重視してあげてください
  • 給食袋やランチョンマットは、洗い替え用に最低3セットは必要です
  • 水筒は肩紐カバーがないと首が擦れて痛がります。水筒と一緒にカバーも用意を
  • 上履きは洗ってもすぐ真っ黒になるので、汚れが落ちやすい素材のものがおすすめ
  • 名前ペンはすぐインクがなくなるので、3本くらいストックしておくこと

12-2. 入学前に練習しておくこと

  • ひらがなの読み書きより、和式トイレの練習と、傘を一人で開いて閉じる練習が実践的です
  • 鉛筆の持ち方だけは、変な癖がつく前に入学前に直しておいたほうがいいです。後からだと本当に大変
  • 牛乳パックを開く練習、ぞうきんを絞る練習、お箸を正しく使う練習。地味ですが役立ちます
  • 服の着脱は一人で素早くできるように。体育の着替えでモタモタすると焦るみたいです
  • 時計(アナログ)が読めるようになると行動がスムーズです。「長い針が6になったら出発ね」と言えるので
  • 雨の日の登校練習を一度やっておくと安心です。ランドセルを背負ってカッパを着て傘をさして歩くのは大変

傘と雨の日の練習は、今回の調査で初めて出てきた視点でした。ランドセルを背負ったまま傘をさすのは、大人が思うよりずっと難しい動作です。

12-3. 入学してからのこと

  • 毎日プリントを大量に持ち帰ってくるので、親のプリント整理術が試されます。ファイルボックス必須
  • 宿題(特に音読)を見る時間が毎日あるので、夕方のスケジュールを見直しておくといいです
  • 夏休みのお弁当作りは本当にしんどい。冷食フル活用で乗り切って
  • PTAや役員は、低学年のうちにやっておく方が楽という説もあります(学校によりますが)
  • 入学して1か月は、子どもも気を張って疲れて帰ってきます。家ではゆっくり甘えさせてあげてください

12-4. 心構えについて

  • 「小学生になるんだから」とプレッシャーをかけすぎず、今の生活リズムを少し整えるくらいで十分
  • お友達ができるか心配でしたが、子どもはすぐに仲良くなります。親が心配しすぎないこと
  • 子どもの話をゆっくり聞く時間を、毎日5分でもいいから作ってあげてください
  • とにかく子どものペースを信じて。最初はできなくて当たり前、くらいのどっしり構えた親でいましょう

35件を読み通して印象的だったのは、買い物の失敗談より「親が焦らないこと」を書いた人のほうが多かったことです。準備が終わった側から見ると、いちばん効くのはそこなのかもしれません。

13. まとめ

小学校の入学準備について、時期・持ち物・費用・学習・生活習慣の5つの側面からまとめました。

最後に、押さえておくべきポイントを整理します。

  • 学用品で1年前から動くのはほぼランドセルだけ。他は2月の説明会後でいい
  • 費用の目安は公立で8〜15万円。ランドセルと学習机で総額が決まる
  • 説明会の前に買うと買い直しになるものが多い
  • 学習面は自分の名前が読めれば十分。先取りより鉛筆の持ち方
  • 本当に差がつくのは着替え・トイレ・「困った」と言える力
  • 子どもの不安には、脅しではなく具体的な情報で応える
  • 名前つけグッズだけは2月中に注文する
  • 共働き家庭は、学用品より朝と夕方の「空白の時間」の設計を先に

入学準備は「早くやること」が目的ではなく、正しい順番でやることが目的です。この記事のスケジュール表どおりに進めれば、3月に慌てることはありません。

まずは、いちばん時間がかかるランドセルから動き出しましょう。

調査概要

この記事で紹介したアンケートの概要は下記のとおりです。

項目内容
調査主体当サイト(biocafe-blog.com)
調査期間2026年7月20日〜8月19日
調査対象小学1〜3年生の子どもを持つ保護者
有効回答数147名(うち共働き122名、自由記述35件)
調査方法当サイト上でのアンケート、LINEオープンチャット、子育て関連サイト、および街頭でのアンケート

回答者の内訳は、小学1年生38.8%、小学2年生33.3%、小学3年生27.9%。働き方は共働き(フルタイム)46.3%、共働き(パート・時短)36.7%、どちらかが家にいる17.0%でした。

インターネットと街頭を併用した自主調査のため、統計的な無作為抽出ではありません。全国の平均値としてではなく、入学準備を終えたばかりの保護者147名の実感としてお読みください。

数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。複数回答の設問は、合計が100%を超えます。

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